本来、日本列島の里山や森林でひっそりと暮らしてきたのがタヌキの生態と生息地の原点です。タヌキは警戒心が強く臆病な性格で、決まった場所に糞をためる「ため糞」という習性を持ち、農村から都市部の緑地まで適応しながらも人間と一定の距離を保って共存してきました。
一方、日本古来の生態系を破壊しているのがアライグマの外来種としての危険性です。1970年代の人気アニメ放映を契機にペットとして北米から大量輸入されましたが、成長に伴い飼育困難となった個体の遺棄や脱走が相次ぎました。
アライグマの気性が荒い理由は、その生物学的進化に起因します。野生下でピューマやコヨーテなどの捕食者と対峙してきたアライグマは、成獣になると防衛本能と縄張り意識が極限まで高まります。幼獣の頃は人懐っこく見えても、性成熟を迎えると飼育者であっても容赦なく噛みつき、鋭い爪で引き裂くほどの凶暴性を露わにします。天敵が不在の日本において、優れた知能と高い繁殖力を持ったアライグマは瞬く間に全国の農地や市街地へ生息域を拡大しました。