日本のゴルフ環境では特設ティー(プレ4)が広く定着していますが、名門コースや競技志向のゴルフ場では特設ティーが一切設置されていないケースも珍しくありません。かつては、暫定球を打たずに前方へ進みOBが判明した場合、元のティグラウンドまで戻って打ち直すことしか認められていませんでした。
しかし、近年のルール改訂において、スロープレーを撲滅するための革新的な選択肢としてローカルルール「ひな型E-5(ストロークと距離の救済に代わる前進救済)」が正式に導入され、現在では多くの一般営業コースで採用されています。
このルールE-5が適用されている場合、ティーショットがOBまたはロストボールになった際、「2打罰」を付加することで、球がOB境界を越えたと推定される地点から最も近いフェアウェイの縁(ホールに近づかない2クラブレングス以内)にドロップしてプレーを再開できます。
打数の数え方は次の通りです。
【ティーショット1打】+【前進救済ペナルティ2打罰】=計3打消費 → フェアウェイから打つ球は「第4打目」
結果としてプレ4と同じ第4打目からのスタートになりますが、特設ティーという人工的な足場ではなく、「自分が実際に飛ばした飛距離に応じたフェアウェイ」から次打を打てる点が画期的です。事前の朝のマスター室前インフォメーションボードで「本日のローカルルール:規則E-5適用」の掲示があるか確認しておくことが、最新ゴルフマナーの標準となっています。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
スコアの数え方やローカルルールの運用については、プレイヤーの技量やラウンドの目的に応じて柔軟に判断することが求められます。心理的・競技的観点から見た明確な行動基準を提示します。
【前進4打や規則E-5を積極的に採用すべき人】 スコア100切りを目指すアベレージゴルファーや、土日祝日の混雑したプライベートラウンドに参加するプレイヤーです。後続組を待たせるプレッシャーは、スイングイップスや認知疲労(パニックによる判断力低下)を招き、さらなるOBを誘発する負のスパイラルを生みます。「救済を使って素早く第4打目を打つ」という割り切りこそが、メンタルバウンダリー(精神的境界線)を健全に保ち、ラウンドのリズムを立て直す賢明な戦略です。
【正式な打ち直しルールを厳格に順守すべき人】 公式ハンディキャップ取得を目指すプレイヤーや、倶楽部対抗、月例競技会などの公式戦に出場するゴルファーです。規則E-5や特設ティーはあくまでローカルルールであり、日本ゴルフ協会(JGA)主催の公式競技やプロテストでは一切認められていません。競技の場では、OBの可能性がある球を打ったら例外なく「暫定球」を宣言してその場から打ち直す習慣を徹底しなければ、過少申告による競技失格という最大の悲劇を招くことになります。