石段を登りきり楼門をくぐると、目の前には京都の石清水八幡宮を模して造営された豪華絢爛な極彩色の社殿が姿を現します。建築様式として特筆すべきは、国の重要文化財に指定されている八幡造(はちまんづくり)です。
八幡造とは、前殿(外陣・昼の御殿)と後殿(内陣・夜の御殿)の2棟を切妻造・平入りで前後に連結し、その中間に相の間を設けて1つの屋根で覆う特殊な複合建築様式です。現存する八幡造の代表例は、大分県の宇佐神宮、京都府の石清水八幡宮、そしてこの愛媛県の伊佐爾波神社の日本全国でわずか3例しかありません。
朱塗りの柱と極彩色の彫刻、日光東照宮の流れを汲む豪壮な金箔装飾が施された回廊は、四国地方の神社建築の中でも群を抜く美しさを誇ります。境内を巡る際は、以下の見どころに注目すると参拝の深みが一層増します。
- 楼門・透塀・本殿(国指定重要文化財):桃山時代の華麗な装飾意匠と江戸時代初期の精緻な木工技術が融合した社殿群。
- 回廊の極彩色彫刻:二十四孝や唐獅子、雲龍など、当時の名匠が彫り上げた立体感あふれる意匠。
- 境内からのパノラマ眺望:135段の石段頂上から見渡す松山市街地と道後温泉街の景色は格別。