小林星蘭のキャリアを語る上で絶対に外せないのが、声優としての目覚ましい飛躍です。「子役あがりの声優挑戦」という色眼鏡を完全に粉砕したのが、2018年公開の劇場版アニメ『若おかみは小学生!』での主人公・関織子(おっこ)役でした。
両親を交通事故で亡くし、祖母の温泉旅館で若おかみとして奮闘する少女の悲しみ、健気さ、そして心の再生を見事に演じ切った彼女の声は、日本映画界やアニメファンに凄まじい衝撃を与えました。高坂希太郎監督をはじめとする制作陣は、彼女の「作為のない、心の底から湧き出る生きた声」を絶賛。同作は日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞やアヌシー国際アニメーション映画祭に選出されるなど、国内外で高い評価を獲得しました。
さらにその実力を決定づけたのが、世界的人気アニメ『僕のヒーローアカデミア』におけるエリ役です。過酷な実験に利用され心に深い傷を負った少女・エリが、主人公・デクたちの温もりに触れて感情を取り戻していく過程を、小林星蘭は震える息づかいや切ない呟きで見事に体現しました。「助けて」と絞り出す一言に込められた迫真の感情は、視聴者の涙を誘い、国内外のアニメファンの記憶に刻まれる代表作となったのです。