二人の間には長女が誕生しており、子育ての過程でも夫婦の強い連携が見られた。多忙を極める女優業と、企業幹部としての激務。双方のスケジュールを調整しながら家庭を守ることは、並大抵の苦労ではなかったはずだ。
娘の教育方針や学校行事への参加など、夫妻は常に対等なパートナーシップを保ってきた。時に週刊誌によって娘の進学や学校生活が取り沙汰されることもあったが、夫妻は一貫してブレない姿勢を保持。過熱するマスコミ報道から愛娘を守り抜くため、強固な防波堤となったのは紛れもなく夫・伊知郎氏の冷静な判断力と存在感だった。
表舞台に立たない夫が果たしてきた役割は、単なる「女優の夫」にとどまらない。多大なプレッシャーに晒される妻の精神的支柱であり、家庭という安全基地の確固たる守護者であったのだ。