面堂終太郎という人物を語るうえで、避けて通れないのが歴代キャストによる怪演の歴史です。1981年版のテレビアニメで面堂を演じたのは、当時すでに『バビル2世』などで主役級の二枚目を演じ、のちに『北斗の拳』ケンシロウや『シティーハンター』冴羽獠で一時代を築く神谷明でした。神谷は、それまでアニメ界であまり前例のなかった「超絶美形が突如として情けない絶叫をあげるギャップの面白さ」を開拓。気品あるバリトンボイスから一瞬で裏返る金切り声の落差は、ギャグアニメにおける声優表現の金字塔となりました。
一方、2026年から2026年にかけて放送された小学館創業100周年記念のリメイク版でバトンを受け継いだのが宮野真守です。キャスティング発表時、往年のファンからは驚きとともに大きな期待が寄せられましたが、実際の放送が始まるとSNSや各種アニメコミュニティでは「神谷明へのリスペクトを完璧に保ちつつ、宮野真守ならではのモダンな狂気が炸裂している」と絶賛の声が相次ぎました。宮野は、現代のハイスピードなアニメテンポに合わせ、ナルシシズムと崩壊のスピード感を極限まで加速させ、新世代の視聴者をも完全に魅了したのです。