一般的な家庭において、義母と嫁の関係は時に緊張感をはらむ。しかし、この一家にそのルールは通用しない。和田家における唯一にして絶対の掟は「干渉しないこと、遠慮しないこと、そして旨いものを一緒に食べること」だ。
平野レミの自宅には、事前の連絡もなく嫁たちがふらりと立ち寄る。冷蔵庫の扉を勝手に開け、余っている食材でパパッと一皿作り上げる光景は日常茶飯事だ。義母が料理愛好家だからといって、嫁たちが萎縮することは微塵もない。むしろ「レミさん、これ味濃すぎない?」と率直に突っ込みを入れる関係性こそが、この一家の風通しの良さを物語っている。お互いに独立したプロフェッショナルとして自立しているからこそ、寄りかかり合わない健やかな敬意がそこに成立している。