立っている最中に急なふらつきを感じた際、「なぜ手や足のツボを押すだけで変化が起きるのか」と疑問を抱く方も多いはずです。東洋医学において「血(けつ)」の巡りは生命活動の根幹とされていますが、現代の自律神経生理学の観点からも、末梢神経への適切な圧迫刺激が血圧や心拍数の急激な変動を緩やかに抑えることが実証されています。
急な立ちくらみの多くは、下半身に滞留した血液が重力に抗して脳まで十分に送り届けられない「起立性低血圧(いわゆる脳貧血)」によって発生します。この状態に陥ったとき、手足の特定のツボを指圧すると、脊髄反射を介して自律神経のスイッチが切り替わり、血管の過度な拡張が抑えられて心臓への静脈還流が促進されます。つまり、貧血の手足のツボを刺激することは、滞った血流ポンプを緊急再起動させるスイッチを押す行為にほかなりません。
道具を一切必要とせず、オフィスや電車内でも人知れず実践できる点がこのセルフケア最大の強みです。意識が遠のきそうな初期の違和感を覚えた段階ですぐに指圧を開始することで、症状の悪化や転倒リスクを大幅に軽減できます。