ネット検索を行う際、多くの人が目にして不安を抱く「新杵堂 まずい」というキーワード。食品・スイーツ業界において、一定以上の知名度を獲得したブランドには付きまとう現象ですが、新杵堂における否定的な意見には極めて明確な構造的理由が存在します。
第一の要因は、名物「栗きんとん」に対する味覚の先入観です。おせち料理に入っている水飴や砂糖で練り上げられたねっとり甘い「栗金団」を想像して口にすると、中津川の伝統栗きんとんの食感に戸惑いを覚えます。新杵堂の栗きんとんは、厳選された国産栗を蒸し上げ、最低限の砂糖のみを加えて茶巾絞りにしたもの。栗本来のホクホクとした水分感の少ない素朴な口当たりを「パサパサしている」「甘みが薄くて物足りない」と誤認してしまうケースが少なくありません。
第二の要因は、「解凍プロセスの誤り」です。新杵堂のスイーツは、出来立ての鮮度を閉じ込める独自の急速冷凍技術を採用しています。しかし、常温で急激に解凍したり、解凍時間を短縮しようとレンジを使ったりすると、組織から水分が分離してドリップが発生し、風味が著しく損なわれます。特に「スーパースターロール」の場合、冷蔵庫内で約8〜10時間かけてじっくり解凍することで、シルキーなクリームと極上のスフレ生地が蘇る設計になっています。この一手間を怠った結果、「水っぽい」「美味しくない」という不本意なレビューへと直結している実態が浮かび上がります。