転職希望者が最も警戒すべきは、看板のブランド名だけに惑わされて「実質的な所属」を見落とす落とし穴です。運送業界には今なお、重層下請け構造(一次請け→二次請け→三次請け……)が色濃く残っています。
大手運送会社のトラックと同じロゴやステッカーを貼って走っていても、実際は個人事業主(軽貨物オーナードライバー)であったり、下請けの中小運送会社からの傭車(ようしゃ)であるケースが後を絶ちません。同じ幹線ルートを走り、同じセンターで荷物を積み降ろしていても、大手の正社員ドライバーと三次下請けの契約ドライバーでは、年収にして200万円以上の開きが生じ、社会保険や福利厚生の有無でも圧倒的な格差が存在します。
求人サイトでよく見かける「月収45万円〜55万円稼げる!未経験歓迎」という甘い謳い文句には、以下の3つのリスクが潜んでいます。
- 固定残業代(みなし残業)の罠:月給の内訳に70〜80時間分の固定残業代が含まれており、基本給自体は15万〜18万円程度に抑えられているケース。
- 個人事業主扱いの業務委託:車両リース代、ガソリン代、高速代、任意保険料がすべて自己負担となり、手元に残る実質所得が最低賃金を下回る危険性。
- 歩合比率の異常な高さ:繁忙期は高収入を得られても、閑散期や荷主の減産によって月収が半減する不安定さ。
真のホワイト企業は、最初から異常な高給を提示するのではなく、「基本給が高く設定されている」「賞与(ボーナス)が年4〜5ヶ月分確実に支給される」「退職金制度が規程に明記されている」という特徴を持っています。