栗山氏が独身のままでいることに対し、「女性との縁が薄かったのではないか」と考えるのは完全な誤解です。東京学芸大学という国立大学出身の元プロ野球選手という異色の経歴を持つ栗山氏は、現役時代から球界屈指のイケメン選手として圧倒的な女性人気を誇っていました。
1980年代のヤクルトスワローズ在籍時、神宮球場には栗山氏目当ての女性ファンが黄色い歓声を送り、球団事務所には連日大量のファンレターやバレンタインチョコレートが段ボール箱で届いたという逸話は、当時の担当番記者の間でも有名な語り草です。現役引退後にテレビ朝日の専属キャスターとなってからも、爽やかな笑顔と丁寧な語り口でファン層をさらに広げていました。つまり、結婚しようと思えばいつでも相手が見つかる環境にいながら、あえて結婚を選ばなかったのです。
では、なぜ栗山監督は独身を貫き通したのか。過去の単独インタビューや著書で本人が語った言葉を総合すると、根底にあるのは「人を幸せにする自信がない」という極端なまでの自己内省と、白球に対する純粋すぎるコミットメントです。
栗山氏はかつて、自らの人生観について「自分の時間も心も、すべてを野球や選手のために使ってしまう。そんな人間が誰かを家庭に迎え入れても、相手を不幸にしてしまうだけではないか」といった趣旨の述懐を残しています。中途半端な覚悟で家庭を持てば、家庭にも野球にも不誠実になってしまう。その強烈な責任感と潔癖なまでの誠実さが、結果として彼を結婚という選択肢から遠ざけ続けた最大の要因といえます。