物語の幕開けとなった『ちはやふる -上の句』、そして完結編である『ちはやふる -結び』に至るまで、作品は常に進化を続けた。主演の広瀬すずが放つ圧倒的な主人公オーラに対し、周囲を固めるライバルたちの存在感が拮抗してこそ、劇的なドラマが成立する。
王道の青春映画でありながら、勝負の世界が持つ残酷なまでの厳しさを描ききった本作。瑞々しいエネルギーが激突する中で、清水尚弥が醸し出した翳りや鋭利な視線は、物語に本物の陰影をもたらした。光が強ければ強いほど影もまた濃くなる。彼の研ぎ澄まされた佇まいは、青春の眩しさを際立たせるための決定的なピースだった。