ネット上の言説においてしばしば見受けられる誤解として、「『はだしのゲン』は図書館から全面的に撤去・発禁処分になった」という極端な言説があります。しかしこれは明確な事実誤認です。
松江市教委の事例は「教員の許可を要する閉架」への一時的な要請であり、完全な撤去ではありませんでした(その後撤回)。また広島市の事例も、あくまで独自の副教材から引用箇所を差し替えたのみであり、市内の学校図書館から単行本を排除したわけではありません。
また、政治的スタンスの違いから「反日漫画」「プロパガンダ」と決めつける声がある一方で、本作の前半(少年ジャンプ連載分)は純粋に主人公・ゲンのたくましい生き様を描いた少年成長物語としての側面が非常に強く、掲載誌の移籍に伴って後半の政治的・告発的トーンが濃くなっていったという連載史上の経緯も無視できません。