電子タバコによる呼吸器疾患を一躍世界に知らしめたのが、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)などが報告したEVALI(e-cigarette, or vaping, product use-associated lung injury:電子タバコ関連肺障害)です。国内外の臨床現場でも、連日のベイプ使用後に急激な呼吸不全に陥る電子タバコ急性肺障害の症例が報告されています。
EVALIを発症すると、肺組織が広範囲にわたって損傷を受け、CT検査ではすりガラス状の白い影(浸潤影)が肺全体に広がります。これはまさに肺に体液や炎症細胞が充満している状態です。特に注意すべき初期症状には以下の兆候があります。
・呼吸器症状:深呼吸時の胸の痛み、息切れ、止まらない乾いた咳、激しい呼吸困難
・消化器症状:原因不明の吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
・全身症状:38度以上の発熱、悪寒、急激な倦怠感、体重減少
風邪やインフルエンザ、感染性肺炎と初期症状が酷似しているため、医療機関で「電子タバコを使用している事実」を申告しないと、適切な診断やステロイド治療が遅れ、重症化して人工呼吸管理が必要になるケースも珍しくありません。