松山千春のキャリアの原点は、1975年に開催された「全国フォーク音楽祭」北海道大会にあります。審査員を務めていたSTVラジオのディレクター・竹浪幸夫氏にその非凡な才能を見出され、1977年1月にシングル『旅立ち』、アルバム『君のために作った歌』で鮮烈なデビューを飾りました。
若い頃の松山千春は、豊かな黒髪をなびかせ、澄み切ったクリスタルボイスで切ない恋心や北海道の原風景を歌い上げる「美青年フォークシンガー」として熱狂的な人気を獲得しました。デビュー直後から『季節の中で』が大ヒットを記録し、グリコアーモンドチョコレートのCMソングに起用されたことで全国的な社会現象を巻き起こします。
その後、1980年代前半にかけて自らの意思でスキンヘッドへとイメージチェンジを図り、外見の変貌とともに歌唱スタイルもより太く力強いダイナミックなものへと深化を遂げました。形式や権威に媚びず、常に自らの信念を貫く生き様は、世代を超えて熱い共感を集めています。