番組が生み出した最大のヒーローといえば、間違いなくチンパンジーのパンくんである。阿蘇カドリー・ドミニオンで育ったパンくんと志村園長の交流コーナーは、世代を超えて日本中を魅了した。おつかいに挑戦する健気な姿や、園長を見つけた瞬間に見せる飛びつかんばかりの笑顔は、やらせや台本では決して作り出せない本物の愛に溢れていた。
未公開の撮影エピソードとして、パンくんが思わぬハプニングでパニックに陥った際、周囲のスタッフが制止するのを余目に、志村さんが静かに手を差し伸べたという話がある。園長が「大丈夫だ、パン」と低く穏やかな声をかけると、パニックを起こしていたパンくんは一瞬で落ち着きを取り戻し、その胸に顔をうずめたという。種族の壁を超えたふたりの強い信頼関係は、日本のエンターテインメント史における最高のハイライトとして永久に記憶されるだろう。