『ギャグマンガ日和』に登場する数多くのキャラクターのなかでも、うさみちゃんのビジュアルインパクトは突出しています。普段は愛らしいピンクのウサギの少女でありながら、教室内で不穏な事件(その大半は下着や私物の盗難・汚損)が発生した瞬間、黒目が収縮し、瞳のハイライトが完全に消失。まるで熟練の捜査官が凶悪犯を追い詰めるかのような、底知れぬ冷酷さを秘めた「あの目つき」へと変貌します。
この演出の秀逸さは、従来の推理モノにおける「ひらめき」の瞬間を、知的なカタルシスではなく「純度100%の威嚇と処刑宣告」として描いた点にあります。一般的な探偵作品に見られる論理的な証拠積み上げやトリック暴きはほとんど行われません。うさみちゃんが現場の違和感に気づき、静かに視線を向けた先にいるのは、常に挙動不審なクマ吉くんただ一人です。
増田こうすけ氏の卓越した作画表現は、ファンシーな絵柄と劇画的な冷徹さのギャップを最大限に引き出しています。被害者である心優しいニャン美ちゃんが涙を流す横で、言葉を発することなく瞳の濁りだけで全てを物語るうさみちゃんの存在感は、読者に対して「これから始まる理不尽な処刑劇」を期待させる絶対的なシグナルとして機能しています。