ジブリ異色作『海がきこえる』なぜ再燃?配信状況とリアル青春の真相

ジブリ異色作『海がきこえる』なぜ再燃?配信状況とリアル青春の真相

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本作を語る上で避けて通れない最大のトピックが、東京から転校してきたヒロイン・武藤里伽子(むとう りかこ)のキャラクター造形です。公開当時から現在に至るまで、彼女の言動を巡っては激しい賛否両論が巻き起こり続けています。

里伽子は容姿端麗で成績優秀、スポーツ万能でありながら、高知の方言や学校の輪に馴染もうとせず、周囲を見下すような態度を取ります。主人公・杜崎拓(もりさき たく)からお金を借りて東京へ父親に会いに行こうとしたり、拓を巻き込んで騒動を起こしたりと、その振る舞いは一見すると身勝手で利己的な「悪女」や「わがまま娘」に映るかもしれません。

しかし、物語を丁寧に紐解くと、彼女の頑なな態度の裏にある「家庭環境の崩壊と激しい孤独」が浮かび上がってきます。両親の離婚によって無理やり見知らぬ地方都市へ連れてこられ、傷ついたプライドを守るために虚勢を張るしかなかった少女の防衛本能。声優を務めた坂本洋子の飾らない自然体の演技も相まって、単なるアニメ的な美少女ではない「面倒くさくて痛々しい、本物の女子高校生」としての存在感を放ちます。理不尽に振り回されながらも惹かれてしまう拓の心理に、気付けば視聴者も深く同調してしまうのです。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。