自民党総裁選に立候補するためには、党所属の国会議員「20人の推薦人」を確保しなければなりません。この推薦人集めは、単なる手続きではなく、立候補希望者にとって最初の巨大な関門となります。
総裁公選規程で推薦人が20人と定められている理由は、売名目的などの安易な乱立を防ぎ、党内で一定の政策実現力と人望を有する人物に絞り込むためです。推薦人となった国会議員は公に氏名が公表され、自らの政治生命をその候補者に預けることになります。
派閥解消がもたらした「候補者乱立」と水面下のグループ力学
政治資金問題を受けて主要派閥が相次いで解散した結果、総裁選の構図は根底から覆りました。
かつては派閥の領袖(トップ)が誰を推薦人に立てるかを一元管理し、派閥単位で候補者を1人に絞り込んでいました。しかし、派閥の拘束力が弱まったことで、中堅・若手議員や女性候補が自由に推薦人を集めやすくなり、「候補者一覧が過去最多規模に膨らむ」という新たな現象が生まれました。
その一方で、派閥という公式の枠組みが消滅したことで、理念や当選同期、政策勉強会を基軸とした「緩やかなネットワーク」による水面下の多数派工作が複雑化しています。表向きは「脱派閥」を掲げつつも、ベテラン議員や旧派閥幹部が影響力を行使する構図は形を変えて残存しており、推薦人20人を固める難易度はむしろ上がったとの証言も聞かれます。