えずきに悩む人々が陥りやすい危険な行動パターンが存在します。ネット上の掲示板や断片的な健康情報では、「胃が気持ち悪いなら吐いてしまえば楽になる」といった俗説が散見されますが、これは極めて危険な行為です。
内容物のない状態で無理に指を突っ込んで吐こうとすると、胸腔内圧と腹圧が異常に跳ね上がります。その結果、食道と胃の接合部付近の粘膜が縦方向に裂け、大量出血を引き起こすマロリー・ワイス症候群を発症するリスクが高まります。吐血や黒色便を引き起こし、緊急内視鏡手術が必要になるケースも珍しくありません。
また、市販の胃薬を無差別に服用し続けることにも落とし穴があります。例えば、胃酸過多による逆流が起きている際に健胃清涼剤(胃を活発にする生薬製剤)を飲むと、かえって胃酸分泌が促進されて症状が悪化することがあります。逆に、消化管運動機能が低下している心因性の不調に対して、強力な制酸剤だけを飲み続けても根本解決には至りません。
さらに盲点となりやすいのが、日常的なカフェイン摂取と過度の冷えです。エナジードリンクや濃いコーヒーに含まれるカフェインは、胃酸分泌を促進すると同時に食道下部括約筋を弛緩させ、逆流を誘発します。「仕事の眠気覚ましに飲んでいる1杯」が、えずきを永続させる隠れた主犯であるケースは非常に多いのが実情です。