シェリル・ノームという実在感の源泉を語るうえで、声優・遠藤綾の繊細な演技と、シンガー・May'nの圧倒的な歌唱力による「二人一役」の融合は絶対に外せない。プライドの高さの裏にある脆さや孤独を立体的に紡ぎ出した遠藤の台詞回し。そして、聴く者の魂を力づくで揺さぶるMay'nのハイトーンとビブラート。この二重構造が見事に噛み合った瞬間、虚構のヒロインは生身の人間以上の生々しさを獲得した。
スタジオでのアフレコとレコーディングが互いにフィードバックを与え合い、キャラクターの成長とシンクロしていくプロセスは、当時の制作陣にとっても前例のない挑戦だった。演技と歌が互いを高め合う共鳴現象こそが、シェリルをただのアニメキャラクターではなく、時代を象徴するポップアイコンへと押し上げたのだ。