深夜帯などで近隣の店舗が開いておらず、器具の調達が完全に絶たれた状況下では、日用品を用いたラバーカップの代用品が浮上します。中でもネット上で広く拡散されている手法が、ペットボトルを用いたトイレ詰まりの解消術です。
この方法は、500ml〜2Lの丸型炭酸用ペットボトルの底面から約3〜4cmをカッターナイフで切り落とし、キャップを外した飲み口側を持って排水口へ差し込むものです。親指で口を塞ぎながら底の開口部を便器の奥へ突っ込み、手前へ引き抜くことで簡易的なピストン効果を狙います。しかし、現場の配管構造を無視したこの手法には重大なリスクが存在します。便器内部の陶器は硬質ですが、排水路の奥は複雑に曲がりくねっており、ペットボトルの切断面が引っかかって内部で破損・脱落した場合、自力では絶対に取り出せない「巨大な異物」と化し、便器を取り外す工事(数万円規模)へと発展します。
物理的な接触を伴わない手段としては、40℃〜50℃程度のぬるま湯を高い位置から細く注ぎ入れ、20分〜30分程度放置してトイレットペーパーの繊維を自然分解させる方法が最も安全です。ここで絶対に犯してはならない誤りが「熱湯の注入」です。衛生陶器は急激な温度変化に極めて弱く、熱湯を注いだ瞬間に「パキッ」という破裂音とともに便器そのものにヒビが入ります。便器の破損は水漏れによる階下浸水を引き起こし、数百万円の損害賠償問題に直結するため、いかなる焦りがあっても沸騰した湯を使ってはなりません。