復活作業に取りかかる前、手元にあるペンの種類を正しく把握しておく必要がある。油性ボールペンとゲルインクボールペンでは、インクの粘度や化学組成が根本的に異なるためだ。
油性ボールペンは、鉱物油などの粘性溶剤に着色剤を溶かしたインクを使用している。耐水性に優れ、長期保存に適している反面、低温下ではインクが固まりやすい特性を持つ。したがって、前述の「温める」裏ワザが特効薬として機能しやすい。
対するゲルインクボールペンは、水性インクにゲル化剤を加えたもので、書く際の摩擦力で一時的にサラサラの液体へと変化する粘性変化(チキソトロピー性)を利用している。極めてなめらかな書き味が魅力だが、水分が蒸発しやすいうえ、ペン先に強い衝撃を受けるとインク軸に空気が巻き込まれやすい。ゲルインクの場合は熱を加えすぎると品質が劣化するため、遠心力や擦筆による復旧を優先するのが鉄則だ。