オールバックで最も多い挫折の理由は、「トップがペタンコになる」「時間が経つとサイドが膨らむ」「生え際が不自然に割れる」という3点に集約される。だが、これらはカットのせいばかりではない。理美容業界のトップスタイリストたちが口を揃えるのは、仕上がりの8割が「ドライヤーによるブロー工程」で決まるという冷徹な事実だ。
髪の毛は熱が冷めるときに形が固定される。濡れた状態の髪に対し、温風を前から後ろへ当てるだけでは根元が寝てしまい、立体感が失われてしまう。正解は、まず前髪の根元を持ち上げながら下から温風を当て、立ち上がりのベースを作ることだ。その後、サイドは上から手で押さえつけながら温風を当て、最後に冷風で急冷してボリュームをタイトにロックする。この土台さえ整っていれば、スタイリング剤の量は最小限で済み、一日中重力に負けないシルエットが完成する。