日本のAmazonプライムは、米国をはじめとする海外主要国と比較すると極めて低廉な価格設定が維持されてきました。しかし、物流業界を取り巻く環境激変や為替動向、オリジナルコンテンツ制作費の高騰が、価格維持の限界を招いたと分析されています。
Amazonが公表した改定理由の核心は、ラストワンマイルを担う物流インフラへの投資拡大と人件費・燃料費の上昇にあります。いわゆる「物流の2024年問題」以降、ドライバーの労働時間規制や再配達削減に向けた配送網の再構築には巨額の資本投下が不可欠となりました。加えて、通常会員に対する配送料無料ラインが従来の2,000円から3,500円へと引き上げられたことも、EC全体の配送コスト適正化に向けた動きの一環です。
経済合理性の観点から見れば、インフレ下の値上げは企業の防衛策として妥当な判断といえます。しかし、消費者側にとっては「機能が増えないまま固定費だけが上がる」という構造に見えるため、反発を招く根本原因となっています。