なぜ消費者はこれほどまでにコンビニホットスナック食べ放題企画という概念に惹きつけられ、定期的に誤情報がバズを起こすのでしょうか。その背景には、コンビニ業界の歴史とファミチキ食べ放題の開催経緯をめぐるマーケティングの力学があります。
ファミチキは2006年、骨なしフライドチキンとして誕生しました。当時主流だった骨付きチキンに対し、「歩きながら片手で手軽に食べられる」「骨を捨てる煩わしさがない」という圧倒的な利便性で市場を席巻。ブランドの象徴へと成長する過程で、ファミリーマート側も「ファミチキ先輩」などのキャラクター展開や、変わり種フレーバーの連発によってエンタメ性を高めてきました。
しかし、コンビニエンスストアという業態の根幹は「小商圏における高回転・高利便性」です。ファストフード店や焼肉店のように客席を長時間専有させ、滞在時間に応じた客単価を得るビジネスモデルとは根本的に異なります。FC(フランチャイズ)加盟店が利益を最大化するためには、レジ横の什器から商品を素早く手渡し、客数を回すことが必須条件です。
一部のネットユーザーが「ファミマが食べ放題をやるらしい」と信じ込んでしまう心理的盲点は、「ファミマなら驚くような面白い仕掛けをやってくれるかもしれない」というブランドへの期待感の裏返しでもあります。しかし、どれほど企画が魅力的であっても、ビジネスの基本構造を逸脱したサービスが全国展開されることは構造上あり得ないのです。