ネット上の旅行ブログや掲示板で散見される最大の誤認は、「うまりずまは沖縄本島でいう『てぃーだ』や『ちゅらさん』と同じような、観光客向けキャッチコピーの一種」という短絡的な理解です。これは言語学的にも文化的にも明確な誤りといわざるを得ません。
宮古方言は、国連教育科学文化機関(UNESCO)の言語分類において、日本語本土方言はもちろんのこと、沖縄本島の中南部方言(首里方言など)とも意思疎通が不可能な「独立した危機言語(Miyako language)」と位置づけられています。音韻体系、文法構造、語彙のいずれを比較しても、外国語に近いほどの開きが存在します。
沖縄本島で広く知られる「カチャーシー(喜びを表現する手踊り)」と、宮古島の「クイチャー」にも本質的な違いがあります。カチャーシーが個人的な感情の高ぶりによって自由に手をかき混ぜて踊るのに対し、宮古のクイチャーは「声を合わせる(声合)」に語源を持ち、円陣を組んで全員が同じステップを踏み、大地を踏み鳴らして声を掛け合います。この集団性、泥臭いまでの連帯感こそが「うまりずま」の根幹であり、洗練されたリゾート文化とは一線を画す宮古島独自の精神風土なのです。