入隊前は穏やかで甘えん坊だった青年が、除隊後には見違えるほど落ち着きを払い、時にドライとも受け取れる合理的な態度を見せることがあります。この変化の根底にあるのは、韓国軍隊における徹底した階級社会と共同生活がもたらすメンタル構造の再編成です。
韓国軍では、起床から消灯まで1分刻みの規律正しい生活が義務付けられます。自分の意志や感情を優先することが許されない極限状態において、兵士たちは感情をコントロールし、理不尽な状況をやり過ごす「感情の省エネ化」を身につけていきます。この適応プロセスこそが、周囲から見ると「感情表現が乏しくなった」「冷たくなった」と映る決定的な要因です。
一方で、過酷な訓練をやり遂げたという自己効力感は、精神的なたくましさや自立心へと昇華されます。散らかり放題だった部屋を几帳面に片付けるようになったり、家族や恋人への感謝を行動で示せるようになったりするポジティブな成長も、兵役という過酷な環境が育む確かな一面です。