ネット上の掲示板やSNSでは「会話中に瞬きが多い人は嘘をついている」「目が泳いでパチパチするのはやましい証拠」といった言説が定説のように語られています。しかし、法医学やポリグラフ(嘘発見器)の捜査研究が示す結論は、これとは大きく異なります。
人間が計画的かつ高度な嘘をつく瞬間、脳は「矛盾のないストーリーを構築する」ためにワーキングメモリを極限まで消費します。この強い認知的集中が起きている最中、視覚入力を抑制するため瞬きの回数はむしろ減少する(目が固定される)のが実際の生体反応です。
瞬きが跳ね上がるのは、「嘘をつき終えた直後」です。偽りの証言を完了した安堵感と、相手が信じたかどうかを確認する極度の緊張が交錯し、その瞬間に溜まっていた瞬目が一気に吹き出す「リバウンド現象」が発生します。単に「話している最中に瞬きが多い」という事実だけで嘘つきと決めつけるのは、重大な冤罪を生むリスクを孕んでいます。
SNSやコミュニティサイトに寄せられる当事者の悩みを見ると、「緊張しやすい性格なのに、瞬きが多いせいで面接官に嘘をついていると疑われた」「ドライアイで瞬きが増えているだけなのに、浮気を疑われてトラブルになった」という切実な声が数多く散見されます。表面的な仕草だけで内面を断定する姿勢は改めなければなりません。