『進撃の巨人』には、数々の伝説的な名言が存在しますが、物語後半の空気を一変させた進撃の巨人 コニーの名言として名高いのが、第126話のラストで放たれたこの叫びです。
「オレ達は…世界を救いに行く!」
かつては敵同士だったマーレの戦士たちと円陣を組み、パイを頬張るアニの姿に笑い転げた直後、コニーは澄み切った表情でこの言葉を口にしました。重苦しい絶望が支配していた展開の中で、この少々少年漫画的すぎる真っ直ぐな宣言は、冷笑的な読者からは「能天気だ」と揶揄されることもありました。しかし、憎しみの連鎖を断ち切るために必要なのは、複雑な地政学的計算ではなく、時にこうした「愚直なまでの善性」です。
アッカーマンのような超人的身体能力も持たず、巨人の力も持たず、知略で世界を動かす天才でもない。そんなコニーが、傷つき、過ちを犯し、涙を流しながらも、最後の最後まで人間性を失わずに生き残ったこと。原作者・諫山創氏がコニーという少年に託したのは、「どれほど過酷な世界であっても、普通の人間が他者を思いやり、手を取り合って未来へ進むことができる」という、究極の人間賛歌だったのではないでしょうか。