一般家庭において最も混同されやすいのが、キッチンに並ぶ調理器具です。ネットのコミュニティサイトやSNS上では、「ステンレス製だと思い込んで食洗機に放り込んだら、鍋が真っ黒に変色して使い物にならなくなった」という悲痛な叫びが後を絶ちません。
和食の現場で重宝される「雪平鍋」やイタリアンの「パスタ鍋」は、熱の回りが早さを求めてアルミニウムで作られているケースが一般的です。アルミニウムはアルカリ性物質に弱いため、アルカリ成分を含む食洗機用洗剤で洗うと表面の酸化皮膜が破壊され、黒ずみ(水酸化アルミニウム)が発生してしまいます。
一方、プロの厨房でもタフに酷使される多層構造のステンレス鍋は、酸やアルカリに強く、焦げ付きを研磨剤入りスポンジで擦り落としてもビクともしません。しかし、熱伝導率が低いため、底面だけが局所加熱されて食材が焦げ付きやすいというデメリットも抱えています。
アルミ鍋 ステンレス鍋 見分け方の現場チェックポイントは以下の3点です。
- 底面のJIS・刻印表示:裏底に「18-8 STAINLESS STEEL」「SUS304」と刻印されていればオーステナイト系ステンレス。「ALUMINUM」「アルミニウム」の表記があればアルミです。
- 底面の厚みと溶接痕:ステンレス鍋は熱ムラを防ぐために底面にアルミや鉄を挟み込んだ「三層クラッド底」を採用しているものが多く、底面の外周に境目の圧着ラインが見られます。
- 持ち上げた際の重量バランス:片手で軽々と振れる雪平鍋に対し、同サイズのステンレス鍋はずっしりとした重力感があり、長時間の調理では腕に明確な疲労差が生じます。