「運の尽き」は緊迫した局面のみならず、人間関係のトラブルやビジネスの破綻、さらには自虐的なユーモアまで幅広い文脈で使われます。誤用を避け、適切なニュアンスを伝えるための実践的な用例を確認しておきましょう。
日常・ビジネス・フィクションにおける自然な例文
① 逃れられない追及や証拠を押さえられた場面:
「何重にも偽装していた裏帳簿の原本を監査部門に押収された瞬間、財務担当役員は運の尽きを悟り、がっくりと肩を落とした。」
② 圧倒的な不条理や災難に巻き込まれた場面:
「抜け道だと思って踏み入れた山道で土砂崩れに遭い、電波も届かないとなれば、ここに行き当たったのが運の尽きだったと諦めるほかない。」
③ 自嘲気味な愚痴やカジュアルな表現:
「社内一厳しいことで知られる鬼部長の直属プロジェクトに配属されたのが運の尽き。向こう半年はプライベートを返上する覚悟が必要だ。」
対義語と英語圏における類似表現
「運の尽き」と対極の事態を表す対義語としては、「運が開ける(うんがひらける)」「地獄で仏に会ったよう」「起死回生」「捨てる神あれば拾う神あり」などが該当します。閉ざされていた道が突如として開通し、命運が劇的に好転する場面で使われます。
また、グローバルなビジネスや国際報道の現場で「運の尽き」のニュアンスを英訳する場合、直訳の「end of luck」よりも以下のイディオムが自然に機能します。
- One's luck has run out: 最も標準的で、「ツキを使い果たした」という直截的な表現。
- One's hour has come / One's number is up: 「最期の時が来た」「天命が尽きた」という命運の終焉を強調する表現。
- The game is up: 「悪巧みがバレた」「もはや万事休すだ」という、年貢の納め時に極めて近い口語表現。