日本テレビ系列で放送され、日本中に空前の社会現象を巻き起こした『家なき子』。国民的ヒロインとして脚光を浴びた安達祐分は、常に世間の鋭い視線に晒されていた。プライベートの自由など皆無に等しかった時代だ。
そんな状況下で行われたデートは、徹底した極秘主義を貫かざるを得なかったという。移動の車中や限られた知人のマンション、早朝や深夜のわずかな隙間時間。限られた時間の中で育まれた交流には、メディアの張り込みを煙に巻くための緻密な配慮があった。当時を知る関係者は「二人とも互いを守ることに必死だった」と語る。表舞台の華やかさとは裏腹に、極めて静かで切実な時間が重ねられていたのだ。