『ドラゴンボール』の現場において特筆すべきは、界王様に関連するキャラクターたちの兼任事情です。
界王星で界王様と共に暮らすチンパンジーのバブルスくんは、言葉を話さず「ウホッウホッ」という鳴き声のみで感情を表現しますが、この声も元々は八奈見乗児さんが兼任で担当していました。スタジオでは、八奈見さんがナレーションを読み、界王様として悟空と掛け合い、合間にバブルスの鳴き声を吹き込むという離れ業が日常的に行われていたのです。
声優交代以降は、バブルスくんの鳴き声も龍田さんや現場のキャスト陣が臨機応変に引き継ぐなど、スタジオ全体で界王星の賑やかさを維持する工夫が重ねられてきました。こうした一人三役、四役をこなすベテラン声優陣の職人技こそが、『ドラゴンボール』の世界観を強固なものにした原動力と言えます。