1946年、焼け野原からの復興に沸く大阪で産声を上げたこの店は、当時としては珍しかった洋食という新しい食体験を庶民に届ける存在だった。洋食がまだ憧れのごちそうだった時代、創業者が手塩にかけて作り上げたレシピは、またたく間に街の人々の心を掴んだ。
阿倍野・天王寺エリアは、あべのハルカスをはじめとする近年の都市再開発によってダイナミックに変貌を遂げた。しかし、どれほど周辺の町並みが未来的になろうとも、暖簾をくぐった瞬間に広がる暖色の空気感は揺らがない。古い常連が孫の代を連れて訪れる姿は、今や日常の風景だ。