こうした懸念に対し、東京メトロ側も手をこまねいているわけではない。近年ではロボット技術や負圧管理システムを駆使した最新の完全除去工法が一部の現場で試行され始めている。
深夜の短い作業時間内において、高精度なHEPAフィルターを搭載した集塵装置を稼働させ、作業エリアを二重・三重の密閉シートで遮断。内部の気圧を外部より低く保つことで、万が一にも粉塵が構内へ流出するのを防ぐ仕組みだ。
さらに、大気中のアスベスト濃度をリアルタイムで監視するAIセンサーの導入実験も進められている。従来のように検体を持ち帰って顕微鏡で計測する手法から、現場で即座に異常を検知・警告するシステムへの移行が、現場の安全性を劇的に高めつつある。