医療機関の受付で最も切実な問題となるのが、会計時の窓口負担割合です。同じ「資格証明書」という名称がついていても、その発行母体と事由によって「健康保険被保険者資格証明書での病院3割負担」が認められるケースと、「被保険者資格証明書で窓口負担10割」を請求されるケースに二分されます。
企業の社会保険加入時に年金事務所等で発行された証明書を提示した場合、被保険者資格がすでに有効であるため、窓口負担は通常通り原則3割(未就学児は2割、高齢者は1〜3割)で済みます。医療機関側も正規の保険診療としてレセプト請求を行うため、窓口での金銭的トラブルはほとんど発生しません。
一方、国民健康保険の資格証明書(滞納措置)を提示した場合は、保険給付が一時差し止められている状態であるため、窓口で医療費の10割(全額)を自己負担しなければなりません。数千円で済むはずの診察や投薬が数万円規模に膨らむため、受診を躊躇してしまうリスクが生じます。
なお、滞納によって10割負担した場合でも、後日自治体の窓口へ申請することで本来の保険負担分(7割相当)が「資格証明書10割負担の払い戻し(特別療養費)」として還付される制度があります。ただし、滞納保険料と相殺されるケースが多いため、全額が現金で戻るとは限らない点に留意が必要です。