水不足に関する報道が過熱する際、SNSやネット掲示板で必ず発生するのが「首都圏の水不足ニュース=神奈川県も断水危機」という短絡的な誤解です。この認識ギャップには明確な理由があります。
テレビの全国ニュースで「首都圏の水がめがピンチ」と報じられる場合の多くは、群馬県や栃木県に位置する利根川水系ダム群(矢木沢ダムや八ッ場ダムなど)の数値を指しています。利根川水系は東京都、埼玉県、千葉県、茨城県などの水源を幅広く担っているため、ここが渇水になると首都圏全域に大々的なニュースとして流れます。
しかし、神奈川県の水源依存度は利根川水系に対してほぼゼロであり、県内水資源の大部分を県内の相模川水系と酒匂川水系で完全に自給自足しています。さらに、神奈川県には「相模導水・酒匂導水」と呼ばれる強固な水路トンネル網が張り巡らされており、相模川の水が不足すれば酒匂川から、酒匂川が減水すれば宮ヶ瀬ダムから水を瞬時に融通し合える仕組みが整っています。
「東京で取水制限の協議が始まった」というニュースを見て神奈川県民がパニックに陥る必要は構造上全くありません。情報の発信元がどの水系を指しているのかを見極めるリテラシーが不可欠です。