ブランドを象徴する柄といえば、円を描く刺繍の粒が連なる「tambourine(タンバリン)」だ。2000年の発表以来、四半世紀以上にわたって服やバッグ、家具、空間に展開され続けている。
この柄の真髄は、一見すると完璧に見える円が、実はすべて少しずつ歪んでいる点にある。フリーハンドで描かれた不揃いなドット、一粒ごとに糸の重なり方が異なる立体感。機械的な均一性を徹底的に拒んだデザインは、見る者の心に不思議な安らぎを灯す。同じモチーフを何十年も作り続け、その時々の糸や織り組織で変化を与えていく。使い手の人生に寄り添いながら、親から子へと受け継がれる過程で、タンバリンの円はまさに「人生の循環」そのものを象徴するアイコンとなった。