なぜこのような分かりにくい表記が2026年現在も続いているのか。その背景には、畳数基準1964年の真相と呼ばれる業界構造の歴史的経緯が存在します。
日本冷凍空調工業会(JRAIA)が定めた現在の畳数表示の根拠は、東京オリンピックが開催された1964年当時の木造住宅試験データに基づいています。当時の住宅は隙間風が多く、断熱材も入っていない土壁や薄い合板が主流でした。その「極めて断熱性能が低い昭和の家」を基準にして作られた規格が、JIS規格として半世紀以上も形骸化したまま運用され続けているのです。
2020年以降に建てられた新築住宅や、2025年に完全義務化された省エネ基準適合住宅(断熱等性能等級4以上)、さらにはZEH水準(等級5〜7)の住宅屋内に、昭和39年基準の「20畳用大型エアコン」をそのまま設置するとどうなるか。能力が過剰すぎてコンプレッサーのオン・オフが頻繁に繰り返され、室内の湿度コントロールが破綻するばかりか、本体購入費に20万円以上の余計な出費を強いられるケースが現場取材でも多発しています。