文化庁の国語に関する世論調査などでも指摘されるように、慣用句のなかには誤った意味で定着しかけているものが少なくありません。「爪に火をともす」もその代表格です。
よくある誤用が、「情熱を燃やして限界まで努力する」「身を削って熱心に取り組む」という意味で捉えてしまうケースです。「火をともす」という言葉の響きから、「心に火をつける」「闘志を燃やす」といった前向きなニュアンスを連想してしまうのが原因と考えられます。
しかし、本来の軸はあくまで「金銭や物資の極端な出し惜しみ・倹約」にあります。ビジネスで「情熱を持ってプロジェクトに挑む」と言いたい場面で「爪に火をともして頑張ります」と発言すると、単に「極限まで経費を削減してケチケチやります」という意味になり、意図が正しく伝わらないため注意が必要です。