宝塚歌劇団のトップスターが退団を発表する際、ファンの間で必ず浮上するのが「退団理由の真相」と「私生活における結婚の噂」です。柚香光に関しても、2023年夏の退団発表以降、インターネットの掲示板やSNS上で様々な憶測が飛び交いました。
しかし結論から言えば、退団理由が結婚であるという噂は事実無根のデマです。退団会見において柚香は、次のように胸中を語っていました。
「トップスターに就任した当初から、常にゴール(引き際)を意識しながら1公演1公演に命を懸けてきた。コロナ禍という予期せぬ困難を仲間と共に乗り越え、『アルカンシェル』という一本立て大作で花組のエネルギーが最高潮に達した今こそが、次世代へバトンを渡す最善のタイミングだと確信した」
この言葉通り、柚香のトップ在任期間は約4年半に及び、これは近年の花組トップスターとしても長期の部類に入ります。就任直後に世界を襲ったパンデミックにより、お披露目公演の中止や延期という未曾有の苦境を経験しながらも、組を牽引し続けました。関係者の証言や当時の雑誌インタビューの記録を紐解いても、身体を極限まで酷使する激しいステージングを維持し、表現者として最高純度の状態で幕を下ろすという「美学の完結」こそが退団の真因でした。
退団直後の電撃婚などを期待あるいは心配したファンの声もありましたが、退団後の多忙を極めるスケジュールを見れば明らかなように、彼女の視線は一貫して「表現者としての次なるステージ」に向けられていたのです。