四阿屋神社を特徴づける最大の要素は、境内を流れる河川が迎える劇的な季節変化です。訪問者のブログや旅行記でも頻繁に言及される通り、神社の参道や石段を登った先に広がる河川敷には、毎年「7月21日」が川開きとして設定されています。海開きと同様に期日が定められ、地元の管理体制のもとで水遊び場として開放される形態は、全国の神社境内を見渡しても極めて異例の光景です。
清流は浅瀬から深みまで変化に富んでおり、木立が強い日差しを遮る天然のサンシェードとなっています。水質は澄み渡り、川底の砂利まで明瞭に見通すことが可能です。しかし、この川開きを迎えると境内の空気感は180度転換します。浮き輪を手にした子どもたちの歓声が木霊し、境内一帯は静粛な祈りの場から賑やかな水上レジャー地へと姿を変えます。
一方で、静寂の中で歴史的建造物と向き合いたい参拝者にとっての見どころは、やはり社殿周辺に集中しています。石段を登りつめた先に佇む拝殿は、木造建築の重厚な佇まいを見せ、その内部に掲げられた天井板には多種多様な植物画や幾何学文様が描かれています。日光の入り方によって色彩の陰影が変わり、神仏習合や地域職人の精巧な技巧を現代に伝えています。新緑が鮮やかな5月や紅葉に染まる11月には、川のせせらぎと鳥のさえずりだけが響く純度の高いパワースポットとしての真価を体感できます。