劇場のレパートリーには、歴史に磨かれた不朽の名作がずらりと並ぶ。中でもピーター・ライト版『白鳥の湖』は、ドラマツルギーの深さと演出の緻密さで他を圧倒する人気作だ。オディールの妖艶さとオデットの悲劇性、そしてロットバルトとの対峙が息もつかせぬ緊迫感で紡ぎ出される。
冬の風物詩として定着した『くるみ割り人形』も外せない。ウエイン・イーグリング振付によるこの版は、高度なテクニックと華麗な美術が織りなす夢の世界で観客を魅了する。クラシックバレエの厳格な様式美を守り抜きながら、現代の観客のテンポ感に寄り添う演出へのアップデートを怠らない姿勢が、長きにわたる支持の根底にある。