とりわけ人々に衝撃を与えたのが、東欧の戦乱と大国間の衝突を想起させる四行詩でした。ノストラダムスが著した『百詩篇(予言集)』には、夜の闇を裂く炎や都市の包囲を歌った記述が数多く存在します。
海外の予言研究者たちが2022年の情勢に当てはめた代表的な詩篇が、百詩篇第9巻55番や第3巻8番などの節です。そこには「七ヶ月に及ぶ大戦争、邪悪によって人々が死ぬ」「ルーアン、エヴルーは王の前に屈しない」といった凄惨な光景が綴られています。解釈者たちは「七ヶ月の大戦争」という表現をウクライナ情勢の初期衝突になぞらえ、さらに核兵器の使用や軍事同盟の直接衝突による大戦への拡大を警告しました。
もっとも、厳密な歴史学・文献学の立場からウクライナ情勢の予言の真相を紐解けば、これらの詩は16世紀当時のユグノー戦争やオスマン帝国の侵攻を背景に書かれたメタファーである可能性が極めて高いとされます。しかし、古の不気味なテキストが現代のハイブリッド戦争の構図と奇妙に符合したことで、人々の心に根源的な恐怖を植え付けました。