オーストリア出身の心理学者アルフレッド・アドラーは、他者を下に置くことで偽りの優越感を得ようとする心理的防衛を「優越コンプレックス」と名付けた。現代のSNSや職場で横行するマウント行為も、まさにこの古くして新しい原理と完全に合致している。自立した実質的な誇りを持てない人間ほど、周囲をけなすことでしか己の立ち位置を確認できない。
根本的に自己肯定感が著しく低下している人物は、他人の成功や幸福を直視することができない。相手の価値を不当に下げる言葉を発することで、相対的に自分の優位性を保とうとする歪んだ認識が働くためだ。要するに、その刺々しい発言は「私は自分に自信がありません」という悲鳴を周囲に漏らしている状態に他ならない。