なぜ益城町周辺でこれほどまでに家屋の倒壊が集中したのか。調査報道によって明らかになった熊本地震の被害理由には、構造力学と地盤特性の2つの致命的な要因が存在します。
第一の要因は、木造建築物を瞬時に破壊する周期1〜2秒の強い地震動、通称「キラーパルス」が2度にわたって発生したことです。益城町中心部の表層地盤は阿蘇の火山灰を含む軟弱層で覆われており、地下深部から伝わった揺れが表層で著しく増幅されました。
第二の要因は、1回目の前震(震度7)で耐震壁や接合部に不可視のダメージを負っていた建物に対し、さらに強烈な本震(震度7)が追い打ちをかけた点です。新耐震基準を満たしていた住宅であっても、極めて強い震度7を2回連続で受け止める設計基準にはなっておらず、1度目を耐えた家屋が2度目の本震で一階部分から押し潰される倒壊事例が相次ぎました。