彼らの物語は、昭和の残り香が漂う浅草フランス座の楽屋裏から始まった。ストリップ劇場の合間に演じるコントで腕を磨いていた若き日の兼子二郎(ビートきよし)と北野武(ビートたけし)。そこは、極貧と下積みの泥臭さに満ちた泥沼の実験場だった。
「二人で漫才をやろう」。その一言から結成されたツービートは、当時の漫才界の常識を次々と打ち壊していく。早口で畳みかける毒舌ネタは、従来のテンポをあざ笑うかのように客席を揺さぶった。無名の青年たちが浅草の演芸場から這い上がり、全国区のトップスターへと登りつめるまでの軌跡は、泥臭くも圧倒的に美しかった。