静岡県富士市の岩本山に春の訪れを告げるのは、園内に植栽された約300本の梅と、それに続く約400本の桜です。毎年のように観光客の間で議論となるのが、「梅と桜は同時に見られるのか」という疑問です。現地管理事務所および富士観光振興関係者の記録データを検証すると、この2つの花が重なる「奇跡のウインドウ」は、実質的に2月下旬から3月上旬の約7〜10日間に集約されます。
「岩本山と梅と桜まつり」の期間中、園内は白加賀や青軸といった早咲きの白梅から、芳香豊かな紅梅へと順に移り変わります。岩本山公園の梅まつりの見頃は例年2月中旬から2月下旬が最盛期であり、この時期はまだ残雪が豊かな富士山の稜線がくっきりと映えます。一方で岩本山公園の桜の開花状況を追うと、ソメイヨシノは例年3月下旬に咲き始め、4月第1週前後に満開を迎えるサイクルが定着しています。遅咲きの豊後梅と早咲きの山桜が交差する瞬間に立ち会えるかどうかは、まさに事前の気温推移と開花トラッキングにかかっています。