神田沙也加さんの名前を不動のものにしたのが、2014年公開のディズニーアニメーション映画『アナと雪の女王』の日本語吹き替え版・アナ役への抜擢でした。アナと雪の女王劇中歌である『生まれてはじめて』や『雪だるまつくろう』で見せた圧倒的な表現力は、台詞の細やかなニュアンスと伸びやかな歌声を融合させ、世界各国の吹替版の中でもトップクラスの評価を獲得しました。
同年を象徴する出来事となったのが、第65回NHK紅白歌合戦での紅白歌合戦エピソードです。沙也加さんはアメリカ・ニューヨークの特設会場から中継で出演し、伸びやかな歌声を日本中へ届けました。そのステージをNHKホールの客席から見つめていた松田聖子さんは、瞳に涙を浮かべながら娘の晴れ舞台を見守り、その直後に自身も紅組トリとして堂々たる歌唱を披露しました。
かつてコンサートで披露された松田聖子親子共演(『上を向いて歩こう』など)で見せた微笑ましい母娘の姿から一歩進み、この紅白のステージは「母と娘」という関係を超え、互いに尊敬し合う「二人の超一流アーティスト」が同じ音楽の頂で交差した歴史的瞬間となりました。